オリジナル靴下を製作するときのサイズの測り方について
2024/4/23
オリジナル靴下を製作する過程で起こりがちなのが寸法の問題です。
工場も含めて測り方の認識を一致させることが大切です。
靴下寸法の測り方とは?
靴下寸法の測り方は、さまざま計測方法があります。
私たちはシンプルに「筒型」のAは、リブからつま先までの「長さ」Bが裏面のかかとからつま先までの「足底サイズ」。
L型は、「ゴアライン」(かかとの縫い目)を起点として採寸を行う方法を採用しております。
Cが「長さ」、Dが「足底サイズ」にあたります。
「筒型」のAとL字型のCは「ふくらはぎ」「膝下」などの「丈」、「筒型」のBとL字型のDは、「22〜24cm」など「足底」のサイズを決める部分になります。
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オリジナル靴下を製作するときの寸法を決める方法とは?
靴下を履いてほしい方の年齢について検討する
靴下の寸法を決める際、まずは靴下を履いてほしい方の年齢を検討する必要があります。
靴下のサイズは、足底の寸法で決まります。測り方で言う「B」と「D」の部分が足底寸法です。
靴下の丈について考える
測り方の「A」「C」部分にあたる長さも合わせて検討します。長さは、自由に変更できます。
対象サイズに近いサンプルを売り場で購入してみる
靴下のサイズと丈が決まったら、近いサイズのサンプルを売り場で購入して、実際に履いてみる、もしくは履いてもらうことをおすすめします。
靴下のサイズの規格はメーカーによっても異なりますので、着用することによって長さ、サイズなど改善すべき点を発見できるかもしれません。
オリジナル靴下を製造するときの新生児からメンズまでのサイズについて
靴下のサイズは、つま先からかかとまでの足底の長さと横幅で決まります。長さは調整できますが、横幅は靴下の編機に取り付ける「シリンダー」の針数によって異なります。
ベビーサイズ
新生児用7-9cm
生後0か月~6ヶ月くらいまでが対象になります。
横幅を小さく作る必要があるので、96nという小さい単位のシリンダーを取り付けた編機で製造します。
ちなみに96nの「n」はニードル(針)の頭文字のnをとったものです。一般的に数値が小さくなるほど幅狭の靴下が製造できます。
この頃の赤ちゃんは、足をばたばたさせるので、サイズが大きすぎるとすぐに靴下が脱げてしまいます。
生後3ヶ月半の息子の足底寸法をはかってみた。7.5cm。サイズで言うと7-9cm。まだ歩かないから滑り止めは不要だ。サイズが大きめだと靴下が脱げやすい。息子の成長と一緒に靴下のサイズと使用感も改めてインプットしてきたい。#ベビー靴下 #新生児靴下 #靴下のサイズ pic.twitter.com/gzBgm0QR92
— 岩村耕平|西荻窪|ブリングハピネス (@bringhappiness7) December 30, 2019
9-14cm
生後6か月~2歳半くらいまでが対象になります。(3歳もいけるかもしれません)新生児用より幅が広い120nで製造します。
個人差はありますが、つかまり立ちから、よたよた歩き。2歳半くらいになると少ししっかりしてくるというところかと思いますので、滑り止めは必須です。
滑り止めについて
7-9cm、9-14cmともに滑り止めは必須です。
生後6ヵ月ですと、実質つかまり立ちするかしないかというところになりますが、それより上のお子様が着用される可能性もあります。
弊社ではベビーを対象とした全ての靴下に滑り止めをつけることを推奨しております。
キッズ、ジュニアサイズ
13-18cm キッズサイズ
3歳から6歳、3歳から年長さんくらいまでが対象になります。9-14cmと同じく120nで製造します。
3歳くらいになると、歩行がだいぶしっかりしてくるため、滑りどめをつけない場合が多いです。
滑り止めが必要な3歳くらいまでのお子様には、ベビーの9-14とサイズをおすすめして、うまく住み分けはかる形をおすすめします。
15-20cm ジュニアサイズ
4歳から8歳、幼稚園年少から小学校1-2年生が対象です。
同じ15-20cmでも、小さい方にウエイトを置くのであれば、キッズと同じ、120nで製造します。大きい方にウエイトを置くのであれば、120nよりも一ランク幅広の144nを使います。
こちらメーカーによって、サイズもまちまちですので、対象とする年齢層のターゲットを絞ったうえで、各社のサンプルを購入して、検証の上、サイズを決定する形がベストです。
レディス、メンズサイズ
靴下の仕様に応じてローゲージからハイゲージまでを使い分けて製造します。
22-24cmがレディスサイズ、25-27cmがメンズサイズになります。
靴下製造工程における寸法についての注意点
靴下生産工程で寸法の誤差が発生する理由とは?
靴下は、伸び縮みするニット製品ですので、生産工程において誤差が発生します。
靴下の生産は、編み上げ、つま先縫製、スチーム、ペアリングの順番で進行します。
スチーム工程は工員さんが手作業で、靴下の形をした板に靴下をはめ込んでいきます。
靴下の形(筒形とL型)、サイズ(ベビーからメンズ)によって板の形状も異なります。
数十足セットしたところで、ベルトコンベアが動き、靴下を蒸気が吹き出す空間に移動し形を整えます。
靴下をセットする作業は手作業で行われます。単純なようですが、重要な工程です。
上記の図は、バーチャルで引っ張り方の違いについてシュミレーションしたものです。引っ張りかたの違いで顔が縦長になってしまっているのがわかります。
ニット製品ですのでどうしても誤差がでてしまうのですが、基準内に収まるようにを工夫をしています。
弊社台湾工場は、規格によってメモリがついた板を使用することで対応しております。
靴下左右の長さを揃えるペアリングとは?
靴下を板にかける作業は、手作業になりますので、誤差が発生します。
左右の長さを揃えるためにスチーム後に「ペアリング」をします。名前の通り同じ長さの靴下の左右を揃える工程です。
靴下長さの誤差については、各社許容範囲を設けております。
通常は±1-2cmが許容範囲となっております。
私たちが台湾で製造する靴下のサイズ感の特長とは?
弊社台湾工場で製造する靴下は伸縮性があります。
伸縮性とは、文字通り「伸びても縮んで戻る性能」のことになります。
弾力性があり足にフィットするので、幅広いサイズに対応することが可能です。台湾製22-24cmの靴下は27cmの私でも着用が可能です。
靴下を着用したときのサイズ感は、同じ仕様でもデザインや製造工場によっても異なります。
単純にcmの数値だけでは決めきれない要素があります。外観は同じでも、工場によって「形状」「伸縮性」の違いがあります。
実際に靴下を履き比べて、納得した上で製作に進まれるのがベターです。
はき心地は、キャラクターなどデザインがメインの靴下においては見落とされがちな要素だからこそ、大事にしていきたいと私たちは考えております。
サービスメニュー
- 「靴下ブランドを立ち上げたい」ブランド、クリエイター、に向けて、「伴走型の靴下製造サービス」をご提供しております。
- ご相談を承っております。
- オリジナル靴下を製作したい方々に向けて、「製造工場を探したい」「どんな種類の靴下が製作できるか知りたい」など状況に合わせた記事を複数紹介しているページもありますので、よろしければご参照ください。
- 仕様にこだわった無地靴下の在庫を使うことで、50足/デザイン~の小ロット生産に対応ができるようになりました。
合同会社ブリングハピネス代表。
中国内モンゴルで中国語とモンゴル語を学んだのち、東京のぬいぐるみ雑貨メーカーで9年間生産管理の仕事をする。2014年に起業し、台湾靴下工場と一緒に「靴下ブランドを立ち上げたい」デザイナー、クリエイター、ブランドに向けた「伴走型でじっくり取り組む靴下製造サービス」を立ち上げる。台湾工場の強みは細かなデザインの再現とはき心地の良さを両立させる技術力。起業してからの7年間で、工場と二人三脚で数多くのブランドの靴下製造を手がける。バーチャルで靴下サンプル製作が可能な島精機製作所デザインシステムを使用。
この記事を書いた人
岩村 耕平