ベビーキッズタイツOEM製造の失敗事例
2022/7/15
私たちは、靴下メーカーとして創業し8年目を迎えました。過去に痛い失敗もありました。
伸縮性がお客様の基準に至らなかったベビータイツ
2016年秋口、伸縮性を改善することを条件に生産に進行したベビータイツ。すでにこの時点で大きな過ちを犯していました。
お客様から「伸縮性さえ改善されればOK」とのコメントを頂いたので、私は工場に「下糸のゴムを弾力性のあるものに交換する」ように指示を出して、生産に進行しました。
納品前に、生産サンプルをお渡ししたところ、NGになりました。
弾力性は、改善されていましたが、体格のよい子も、細い子もみんなが履けるタイツじゃないと厳しいとのこと。体格のよい子にはかせるとちょっときつかったそうです。
お客様と私たちの、「どこまで改善されるか?」という認識が異なったために発生した問題です。
6年たった今改めて当時を振り返ると、最悪の対応でした。伸縮性のような直接着用しないと確認が難しい部分を再度サンプルを作らずに直接生産に進めるなど、素人対応もいいところです。
結局高い授業料を支払うことになってしまいました。
ベビータイツOEM製造に失敗した教訓をどう活かしたか?
失敗した年の年末、靴下を製造して40年目になる靴下職人でもある台湾工場の社長を訪問しタイツを製造するときの注意点や仕様書の作りかたについて教わってきました。
翌年、社長の教えに従って、仕様省を製作しお客様と採寸をしながら何度かサンプルを製作しました。サンプルが完全にOKになってから、製造を進めました。
ロットの関係で、生産は中国になりましたが、無事に納品することができました。
ベビータイツ製造の失敗から学んだこと
急がば回れ
納期が急ぎだとしても、上記のように確認の工程を省くとトラブルの原因になります。自社とお客様の間における「どこまで改善されるか?」という認識を一致させずに生産を進めた結果、発売まで1年以上かかりました。
お客様に再度サンプルを製作しなければならない必要性を丁寧に説明して、あとワンステップ追加していれば、トラブルになりませんでした。
工場によっては、サンプル修正の回数が嵩むと、直接生産で修正することを勧めてきます。
せっかちな工場に、直接生産するようにせかされ、そこで折れてしまうとトラブルが発生するリスクが高くなります。
自分の想像が及ぶ製品だけに集中して取り組む
工場担当者の経験も様々です。遠い海外とのやりとりですと特に現場が見えにくいことから、担当者に頼る比重が大きくなりがちです。言葉の壁もあります。
万が一担当者と発注者双方の経験が浅いと、いくら工場がしっかりしていても、コミュニケーションのエラーが発生する可能性があります。
自ら経験がある製品を製造する場合、上がってきたサンプルを見れば、どこがどう間違ったか想像することができるので、工場担当者の経験が浅いとしても、適格な指示を出すことで解決することが可能です。
まとめ
ここまで「ベビーキッズタイツOEMの失敗事例」について紹介して参りましたが参考になりましたでしょうか。
現在は、再度サンプルを製作する必要性が生じた場合、納期とリスクのバランスを検討した上で、お客様と工場双方に丁寧な説明を入れてから進行しております。
サービスメニュー
- 「靴下ブランドを立ち上げたい」ブランド、クリエイター、に向けて、「伴走型の靴下製造サービス」をご提供しております。
- オンライン、Email、対面での相談を承っております。
ブリングハピネスブリングハピネスhttps://www.bringhappiness.jp/656
- オリジナル靴下を製作したい方々に向けて、「製造工場を探したい」「どんな種類の靴下が製作できるか知りたい」など状況に合わせた記事を複数紹介しているページもありますので、よろしければご参照ください。
- 台湾製無地靴下の在庫を使うことで、靴下は100足/色~、100足の中で刺繍デザインは2種類までの対応ができるようになりました。
合同会社ブリングハピネス代表。
中国内モンゴルで中国語とモンゴル語を学んだのち、東京のぬいぐるみ雑貨メーカーで9年間生産管理の仕事をする。2014年に起業し、台湾靴下工場と一緒に「靴下ブランドを立ち上げたい」デザイナー、クリエイター、ブランドに向けた「伴走型でじっくり取り組む靴下製造サービス」を立ち上げる。台湾工場の強みは細かなデザインの再現とはき心地の良さを両立させる技術力。起業してからの7年間で、工場と二人三脚で数多くのブランドの靴下製造を手がける。バーチャルで靴下サンプル製作が可能な島精機製作所デザインシステムを使用。
この記事を書いた人
岩村 耕平