島精機製作所さんのデザインシステムを使用して靴下のバーチャルサンプルを製作する流れとは?

靴下製造の考えが詰まったブログ

島精機製作所さんのデザインシステムを使用して靴下のバーチャルサンプルを製作する流れとは?

2022/7/16

島精機製作所さんのデザインシステムを使用して靴下のバーチャルサンプルを製作する流れとは?

島精機製作所さんが開発したAPEXシリーズは、靴下がニットの網目になったときの再現性や色を、バーチャル上でシュミレーションすることができるシステムです。

デジタルデーターでサンプルを製作するため、工場でサンプルを作成する前の段階で、バーチャル上での確認が可能です。

バーチャルサンプルを製作する流れとは?

お客様のデザインを元に、ビットマップデーター(ドット絵)を製作する

靴下のバーチャルサンプルの製作は、お客様からご提供頂いたデザインを、「ビットマップ」とよばれるドット絵にするところからスタートします。

 

糸の色を選ぶ

お客様からのデザインデーターをシステムに読み込ませて、データーと一番近い糸色を選びます。

システムが最も近い色を選び出します。

ビットマップデーターを靴下の網目に変換する

ビットマップデーターの、ピクセル(ドット)一つ一つを靴下の網目に変換する作業をします。

これをゲージ変換といいます。

靴下の筒を一枚の絵にしたようなイメージになります。

靴下の筒に一枚絵をはめ込んで完成

最後に、編地に変換されたドット絵を、靴下の雛形にはめ込みます。

靴下の雛形をマッピングデーター。はめ込みをするツールはマッピングエディターと呼ばれます。

マッピングデーターは、様々な雛形から、靴下の種類に応じて選択します。

私たちがデザインシステムを導入した理由とは?

当初私は、靴下のサンプルに関わるコミュニケーションの煩雑さに悩んでいました。

工場から、サンプルが上がってくるものも、何度も修正しなければなりませんでした。

イラストレーターで製作したデザインと、靴下の編地にしたときの色やイメージが異なってくるのが原因です。

編み込み靴下を製作する際、デザインをドット絵に置き換えます。

サンプルを製作する前に、ドット絵をお客様に確認頂いたとしても、ドットと実際の編地とではイメージが異なります。

色についても、糸見本帳で見たときと、編み上がったときのイメージが違う場合があります。

そうなるとサンプル修正回数がおのずと多くなります。

修正が重なると工場のモチベーションが下がってきます。

初めは10日で出来上がってきたサンプルが、次回は14日、その次は20日とどんどん後ろ倒しになります。

お客様から厳しい叱責を受けることもありました。

デザインシステムを導入して変わったこと

サンプル修正回数が減少

現在は、デザインシステムでバーチャルサンプルを製作しています。

お客様に提出して、修正点があれば、バーチャル上で直してから、実際のサンプルを製作する流れです。

ドット絵の製作は、工場に依頼しますが、それ以外の作業は私自身が行っています。

サンプルの修正回数は、平均的におおよそ50%減少しました。

自らの手でデザインを製作することにより、「ものづくり」の感覚が向上

バーチャル上で、自身の手を動かしながら、サンプルの製作を行うため、作業を通じてデザインが自然に頭の中に入っていきます。

工場に実際のサンプルを依頼するころには、お客様の意図を、自分の言葉で工場へ伝えることができるようになります。

デザインシステムを導入して以来、4年間、バーチャルサンプルを製作し続けてきました。

製作上の壁につきあったとき、以前は「感情」で工場にお願いするしかありませんでした。現在は「なぜできないか」を分析して、工場と一緒に解決方法を検討できるようになりました。

工場の理解を得やすくなった

弊社でバーチャルサンプルの対応をすることで、工場でサンプルを製作する回数が減少しました。

工場の負担を軽減することで、小ロットでの対応がしやすくなりました。

ご質問などございましたら、お気軽にお問合せ下さいませ。

サービスメニュー

  • 「靴下ブランドを立ち上げたい」ブランド、クリエイター、に向けて、「伴走型の靴下製造サービス」をご提供しております。
  • オンライン、Email、対面での相談を承っております。
  • オリジナル靴下を製作したい方々に向けて、「製造工場を探したい」「どんな種類の靴下が製作できるか知りたい」など状況に合わせた記事を複数紹介しているページもありますので、よろしければご参照ください。
  • 台湾製無地靴下の在庫を使うことで、靴下は100足/色~、100足の中で刺繍デザインは2種類までの対応ができるようになりました。

合同会社ブリングハピネス代表。
中国内モンゴルで中国語とモンゴル語を学んだのち、東京のぬいぐるみ雑貨メーカーで9年間生産管理の仕事をする。2014年に起業し、台湾靴下工場と一緒に「靴下ブランドを立ち上げたい」デザイナー、クリエイター、ブランドに向けた「伴走型でじっくり取り組む靴下製造サービス」を立ち上げる。台湾工場の強みは細かなデザインの再現とはき心地の良さを両立させる技術力。起業してからの7年間で、工場と二人三脚で数多くのブランドの靴下製造を手がける。バーチャルで靴下サンプル製作が可能な島精機製作所デザインシステムを使用。

この記事を書いた人

岩村 耕平

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