オリジナル靴下を小ロットで製造するときの考えかたとは?
2024/5/30
こんな方におすすめ
- ・自社ブランドのラインナップに靴下を加えたい。
- ・ゼロから靴下ブランドを立ち上げたい。
- ・靴下を生産したいけどロットや価格などの条件が合わない。
本日はそんな方々に向けて、「オリジナル靴下を小ロットで生産するときの考え方」についてご紹介して参ります。
特にブランドなど物販の靴下を開発する際に役立つ内容となっております。
製造用語で、1回の生産で製造する数量のことを「ロット」、生産対応が可能な最低限の数量のことを「小ロット」言います。
ゼロから靴下ブランドを立ち上げるときの製造ロットの考え方とは?
ゼロから靴下のブランドを立ち上げられる場合、ブランド自体が成功するかどうか試してみないとわかりません。
少ない投資金額で、根気を持って、成功するまで小さなチャレンジを繰り返すのがベストです。
投資金額を減らすためには製造ロットを極力少なくしたいところですが、下記のようなデメリットが生じます。
製造原価が上がる
靴下を小ロットで製造すると、製造原価が大幅に上がってしまいます。
単価が上がってしまうのには、原因があります。
靴下製造を準備するための、糸を編機にセッテイングする工程があります。
所要時間は3時間〜半日かかります。数量が多くても少なくてもセッテイングに要する時間は同じになります。
一方、編機を回して靴下を製造する時間については、数量が少ないほうが短くなります。
靴下の編み立てが完了したらすぐに、次の製品をセットしなければ編機が遊んでしまいます。
セッティングを行っている間は編機を動かすことができません。
工場にとっては、生産設備が稼働し製品を生み出す時間こそが、お金を生み出すゴールデンタイムになります。
小ロットでの製造は編機を止める時間において「ロス」が発生するので、その分が原価に反映されます。
サンプルを修正する際に費用がかかる
靴下のサンプルは、数量が多くても少なくても同じ工程を経て製作されます。
サンプルを1回製作する経費をロット数で割ったら、ロットが少ない方が割高になります。
サンプルを製作するのにも職人の時間や材料費などのコストがかかります。
小ロットの場合、工場によっては修正するごとにサンプル代がかかってしまう場合もあります。
修正するごとに費用がかかるとなると、どこかで妥協の決断を迫られてしまうかもしれません。
価格と品質のバランスが取りにくくなる
製造原価が高くなると、販売価格に反映させる必要があります。
「生産数量が少ないことによるデメリット」だけで単価があがってしまうケースですと、
靴下を多く取り扱っているブランドとの比較で、見劣りしてしまう可能性があります。
例 品質は同じなのに価格の差が倍以上ある等
初期段階の小ロット製造を投資として考えてみる
初期段階の小ロット製造を投資として考えることをおすすめしております。
単価は上がりますが、仕入数が少ないので、出費を抑えることができます。損をしない程度の売価で販売し、トントンになるのであれば構いません。
小ロットでの発注を繰り返して都度改善を重ねながら、自らの世界観と市場における需要をマッチングさせながら、販路を開拓して行きます。
次のステップとして「経済ロット」での発注と、数量が増えて単価が下がったところでの「利益の確保」を目指します。
特に靴下は単価が低いため、ある程度の数量を販売できるようにならないとビジネスとして成り立ちにくいケースが多いです。
自社ブランドに靴下を追加するときの製造ロットの決め方とは?
すでに自社でブランドを営んでおり、ある程度の販売数を目指す場合は「経済ロット」での製造をおすすめします。
靴下の品質は、「材質のランク」「工場の技術」「デザイン」に左右されます。
ブランドの世界観を、きちんと製品に反映させるためには、工場と連携して「作りこみ」を行う必要があります。
新たに靴下市場に参入する場合、「質感」「履き心地」など品質も他ブランドと比べて優れていることが望ましいです。
ブランドの世界観やデザインに惹かれて靴下を購入したお客様が、実際に靴下を履かれて、ご好評を頂くことで、リピート購入率が上がる可能性があります。
ちなみに私たちの経済ロットは、1デザイン 1サイズ 300足〜になります。
工場の惜しみない協力を引き出すために最低限必要なロットです。
価格やサンプル製作に影響が出ない数量のことを「経済ロット」と言います。
工場によって数値が異なります。
小ロットでオリジナル靴下を製作するときの、私たちのサンプルワークの進め方とは?
私たちは、ユニクロでも有名なホールガーメントの横編機を開発したメーカー「島精機製作所」さんが開発したデザインシステムを導入しています。
システムを使用することにより、実物のサンプルを製作する前にバーチャル上でサンプルを製作することができます。
靴下の絵柄は、一つ一つの網目からできています。
サンプルを製作する際は、デザインを一目一目のピクセルアートと呼ばれる「ドット絵」に置き換えます。
靴下は「頭の中に描いたデザインと、実際のイメージが異なる」ギャップが発生しやすいアイテムです。
システムを使用することにより、バーチャル上でサンプルの製作ができます。実際のサンプルを製作する前にイメージの確認が可能です。
修正を重ねる「作り込み」を行ってから、実際のサンプル製作に進むことで、小ロット生産にありがちな「妥協」を最小限に抑えることができます。
弊社デザインシステムを実際に業務で使用して7年になりました。サンプルを修正する手間と時間が大幅に圧縮されました。
デザインシステムについ下記ページでより詳しく紹介しております。
小ロットでの「ハイブランド」靴下の製造に対応が可能な台湾工場とは?
私自身、靴下を本業としないファンシー雑貨メーカーで、靴下工場を探して、工場との信頼関係を築くところから靴下に取り組んで参りました。
靴下メーカーを立ち上げてからは、数多くのブランド様とご一緒させて頂きました。
自ら壁につきあたりながら、靴下の製造に取り組んできた経験を生かして、個人、法人を問わず「靴下ブランドを立ち上げたい」方々の靴下製造をサポートしております。
私たちの靴下工場は、台湾にあります。海外で製造していることを理由に「低価格」を売りにするつもりはありません。
私たちは、小ロットでも不利にならない、他ブランドと競合ができる「品質」、クリエイターやデザイナーが思う存分作り込みをして頂ける「環境」、販売に耐えうる「適正価格」を提供したいと考えています。
台湾靴下工場で製造するメリットは、靴下の品質の高さにあります。デザインが細かく、色数が多い靴下の製造に対応ができますので、デザインの幅を広げることが可能です。
細かいデザインの再現と靴下のはき心地を両立させる技術力が工場の強みです。
主に市場価格1000円前後の靴下を製造しており、実際台湾工場で靴下を製造して納品したお客様のリピート率も高めに推移しています。
「靴下ブランドで勝負したい」「靴下以外のカテゴリーですでに販路があり、新たに靴下を開発したい」ブランド様には特に台湾での製造をおすすめしております。
私たちの考え方について下記ページでより詳しく紹介しております。
弊社でオリジナル靴下を製作するときの条件について
私たちの価格には下記が含まれております。
- 参考サンプルの提供
- 靴下製作に関わるコンサルティング
- ドット絵の製作と修正
- バーチャルサンプルの製作と修正
- 工場でのサンプル製作と修正
- 製品代
- カートン代
- 1個OPP袋代
- お客様納品先までの物流費
- 海外からの輸入手数料及び諸経費
最低製造数量
1デザイン 1サイズ 300足〜
ご要望の靴下のデザイン、型数、種類、産地によって製造に必要な数量と価格が上下しますので、詳しくはご相談頂けると幸いです。
サービスメニュー
- 「靴下ブランドを立ち上げたい」ブランド、クリエイター、に向けて、「伴走型の靴下製造サービス」をご提供しております。
- ご相談を承っております。
- オリジナル靴下を製作したい方々に向けて、「製造工場を探したい」「どんな種類の靴下が製作できるか知りたい」など状況に合わせた記事を複数紹介しているページもありますので、よろしければご参照ください。
- 仕様にこだわった無地靴下の在庫を使うことで、50足/デザイン~の小ロット生産に対応ができるようになりました。
合同会社ブリングハピネス代表。
中国内モンゴルで中国語とモンゴル語を学んだのち、東京のぬいぐるみ雑貨メーカーで9年間生産管理の仕事をする。2014年に起業し、台湾靴下工場と一緒に「靴下ブランドを立ち上げたい」デザイナー、クリエイター、ブランドに向けた「伴走型でじっくり取り組む靴下製造サービス」を立ち上げる。台湾工場の強みは細かなデザインの再現とはき心地の良さを両立させる技術力。起業してからの7年間で、工場と二人三脚で数多くのブランドの靴下製造を手がける。バーチャルで靴下サンプル製作が可能な島精機製作所デザインシステムを使用。
この記事を書いた人
岩村 耕平