島精機製作所さんのバーチャルデザインシステムを活用する方法について考えてみる
2022/8/5
私たちは、東京で靴下製造メーカーを営んでいます。
2017年に、バーチャルで靴下サンプルの製作が可能な島精機製作所のデザインシステムを導入して5年になりました。
まだまだ十分に使いこなせていない部分があります。
導入5年目を迎えて、今後の展望(願望?)について考えてみました。
今後バーチャルデザインシステム使って取り組みたいことを考えてみた。
新しい商品の開発にチャレンジするには、サンプルの製作回数やロットなど、様々な制約を乗り越える必要があります。
全てオーダーが、チャレンジ案件になってしまうと、工場の利がなくなってしまいます。
工場に対する発注を増やすことで、工場が利益を確保しながら、新しいことにチャレンジをすることができる土壌を作ることができます。
ここ数年、台湾靴下工場における、弊社が占める生産比率の底上げを図ってきました。現在だいぶ安定してきましたので、積極的に新しい取り組みができるようになりました。
新しい糸を使ってみる
島精機製作所さんが提供する「yarnbank」を使うことで世界中の糸のデジタルデーターをダウンロードできます。メーカーから糸を購入して工場に発送すれば、実物サンプルの製作も可能です。
yarnbankは世界の糸を検索・閲覧・ダウンロードできる、世界初のウェブサービスです。糸メーカーが参画し、各社の最新の糸情報や糸のデジタルデータを提供します。ユーザー登録は無料で、自由に閲覧、検索をすることができ、また、先般同時に発表いたしましたデザインソフトウェアのサブスクリプションサービス『APEXFiz』や弊社デザインシステム『SDS-ONE APEX4』でのバーチャルサンプリングに活用できる糸のデジタルデータもダウンロードできます。これまで糸をスキャンしてシミュレーションに使用していたユーザーは、yarnbankを通じて簡単に糸データを取得できるようになります。また、架空の糸ではなく、実際に購入可能な糸を用いたシミュレーションがおこなえることで、生産に即したリアルなバーチャルサンプリングが容易に実現できることになります。
提案サンプルを製作する
現物のサンプルを製作することなく、バーチャルでサンプル製作ができるので、工場の手間やお金をかけずに提案用サンプルを製作できます。
マーケティングへの活用
靴下は、平面のデザインをドット絵に置き換えて製作します。
ドット絵は、工場のデザイナーが製作します。デザインを一度ドットに分解するので、
平面のデザインと100%同じものが出来上がることはありません。
バーチャルサンプルを製作することにより、出来上がりをサンプルを製作することなく確認することができます。
配色パターンなど、簡単に変更ができるので、何パターンかサンプルを製作し、SNSにあげて反応を見たり、実際に販売をすることも可能です。
アマビエ人気にあやかってスニーカー靴下のバーチャルサンプルを製作させてもらった。今のところ実物を製作する予定はありません。 pic.twitter.com/UBwNPm5avH
— ブリングハピネス 岩村耕平 (@bringhappiness7) May 27, 2020
弊社台湾靴下工場の協力をベースとして、引き続きバーチャルデザインシステムを活用して、本気で靴下のブランドを立ち上げたい、デザイナーやクリエイターとお仕事をご一緒できればと考えております。
ブランドが成長することを何よりも楽しみに仕事をしております。
靴下のサンプルワークにデザインシステムを導入して5年の月日が流れた
私たちがデザインシステムを導入したのは、島精機製作所さんの営業マンから頂いた一本の電話がきっかけでした。
当時(2017年)に導入したAPEX3の価格は、私が前職のぬいぐるみメーカーで働いていたときの1年分の年収くらいでした。業務提携先との折半で5年リースを組んでの導入でした。
システムの導入をきっかけとして、お客様へのサービスを大きく向上させることができました。
昔台湾のネックウォーマーの工場のおばちゃんが、うちの編機は「シマセキ」と自慢してた。ロットが少なすぎてオーダーを断られた。数年後初めて島精機さんからご連絡頂いたとき、1回しか会ったことがないおばちゃんのドヤ顔を思い出して東小金井で商談した。3ヶ月後にApex3を導入。もうあれから4年か。
— ブリングハピネス 岩村耕平 (@bringhappiness7) March 23, 2021
営業マンが弊社を見つけてくれなかったら、今の私たちはなかったと思います。
コロナ禍で海外に出張に行かれない中、システムの存在にどれだけ救われたかわかりません。
彼の営業が弊社の発展のきっかけになったように、弊社のサービスが、少しでもお客様に役立つように心がけて参ります。
デザインシステムを使ってバーチャルサンプルを製作する手順や、導入の理由や感想などこちらで詳しく紹介しております。宜しければ合わせてご参照くださいませ。
サービスメニュー
- 「靴下ブランドを立ち上げたい」ブランド、クリエイター、に向けて、「伴走型の靴下製造サービス」をご提供しております。
- オンライン、Email、対面での相談を承っております。
ブリングハピネスブリングハピネスhttps://www.bringhappiness.jp/656
- オリジナル靴下を製作したい方々に向けて、「製造工場を探したい」「どんな種類の靴下が製作できるか知りたい」など状況に合わせた記事を複数紹介しているページもありますので、よろしければご参照ください。
- 台湾製無地靴下の在庫を使うことで、靴下は100足/色~、100足の中で刺繍デザインは2種類までの対応ができるようになりました。
合同会社ブリングハピネス代表。
中国内モンゴルで中国語とモンゴル語を学んだのち、東京のぬいぐるみ雑貨メーカーで9年間生産管理の仕事をする。2014年に起業し、台湾靴下工場と一緒に「靴下ブランドを立ち上げたい」デザイナー、クリエイター、ブランドに向けた「伴走型でじっくり取り組む靴下製造サービス」を立ち上げる。台湾工場の強みは細かなデザインの再現とはき心地の良さを両立させる技術力。起業してからの7年間で、工場と二人三脚で数多くのブランドの靴下製造を手がける。バーチャルで靴下サンプル製作が可能な島精機製作所デザインシステムを使用。
この記事を書いた人
岩村 耕平